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Posted by ミリタリーブログ  at 

2007年10月15日

二階ロビーの引き出しを探せ!(MGC・H&K VP70)


 1982年に発売されたMGCのH&k VP70は別売のホルスターストックを装着すれば3点バースト可能なマシンピストルとしてトイガン史上画期的な製品になる予定でした。ところが、ホルスターストックの方はバーストメカの不調という理由で発売が延期され、結局『まともに作動しません』という断り書きで一部ショップやイベント等で(予価の半額かそれ以下の値段で)ひっそり売り出されるという不遇の商品となってしまいました。

 一般にはMGCのH&k VP70の3点バースト不調の原因は、ブローバックの際のスライドの後退力不足でストック上部のカウンターを押し下げるためのパワーが足りなかった。と、言われていますが、実はそれは間違いです。

 不調の原因(少なくとも原因の八割は)はフルオートシアーにありました。正確にはフルオートシアーを押し上げているスプリングが固すぎたのが原因です。

 MGCのH&k VP70のフルオート原理は独特でした。厚さ1mm強の板状のパーツ(これがフルオートシアー)が上下して、スライドの前進量をコントロールすることでセミオートとフルオートを撃ち分けます。ストック未装着またはセレクターがセミオート位置ではフルオートシアーは正位置にあるのでスライドが本来の位置で止まり、フルオート時には下がってスライドをオーバーランさせるのです。スライドがオーバーランするということは前撃針のモデルガンでは「暴発」を意味します。つまり、VP70のフルオートは故意に暴発させるという常識の逆を行く小林太三氏のまさに天才的な発想で為されていたのです。


フレーム後部の銀色のパーツがフルオートシア


セミオート時のスライド位置。これが正位置。


バースト開始前のストックの突起。


バースト中のスライド位置。僅かにオーバーランさせることで暴発が起こる。


バースト中のストックの突起。フルオートシアを押し下げている。

 PV70にストックを装着し、セレクターを3点バースト位置に合わせます。射撃を開始するとスライドがストック上部のカウンターを押し下げ、それと連動してストックからフレーム内に伸びた突起がフルオートシアを押し下げます。フルオートシアーが下がるとスライドが戻る際に僅かにオーバーランして暴発します。これを二度繰り返すとストック内のカウントメカの働きで突起が元の位置に戻り、フルオートシアーが上がってフルオートを止めます。
 以上がMGCのH&k VP70の3点バーストの原理ですが、実際の製品ではフルオートシアーを押し上げるスプリングが固すぎたためにストック内のバーストメカの動きが阻害され、それが不調の一番の原因となっていたのです。


 写真は製品のスプリングを1/3ほどにカットした物を引っ張って延ばしたものです。これだけの調整でも(100%確実ではありませんでしたが)3点バースト・ブローバックを成功させることができました。(残念ながら現在ではパーツの消耗により手持ちのVP70は発火できなくなってしまいましたが…)


P.S.
 小さな鍵がないと開かないぞ。



  
タグ :MGCVP70


Posted by 夜魔猫  at 00:56Comments(0)ハンドガン

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